ネットに詳しい選挙ウォッチャー 1.YouTubeが政治を変える?
立花孝志の選挙戦略

私は新宿で開業医をしていますが、仕事柄クリニックのネットマーケティング研究しており、元々選挙ウォッチャーでもありました。2019年7月に、NHKから国民を守る党と、れいわ新選組が議席を獲得するのを目の当たりにして、YouTubeによって、政治が変わる流れができたため、書くことにしました。

NHKから国民を守る党と
れいわ新選組が躍進

youtubeが政治を変える

2019年の参議院選挙では、NHKから国民を守る党が1議席、れいわ新選組が2議席獲得しました。小規模な政党で最も当選しやすいのが、参議院選挙の全国比例区とはいうものの、世間を驚かせました。

れいわ新選組は代表の山本太郎さんが参議院議員であり知名度がありましたが、おそらく、NHKから国民を守る党は、YouTubeがなかったら、議席を獲得することはなかったできなかったでしょう。

各党の主張が注目されますが、そういったことではなく、事実に基づき、客観的かつ中立的に、YouTubeという新しいテクノロジーが、どのように政治に影響を与えているのか分析しました。

テレビと新聞が
大きな影響を与えていた

日本国内では、1950年代からテレビが普及し、1家に1台テレビがあり、テレビと新聞の影響を大きく受けていました。政治に関する情報は、テレビ、新聞、雑誌などから入ってきて、政治に関して話題になるのも、男性は家庭と会社、女性は家庭とご近所付き合いが中心でした。新聞社やテレビ局により多少主張に違いがあったにせよ、新聞記者やコメンテーターも新聞社やテレビ局の意向に沿って発言していました。

YouTubeとTwitterが
影響を与えつつある

2010年代からスマホが普及して、1人に1台スマホがあり、YouTubeやTwitterなどの影響を大きく受けつつあります。男性にしても女性にしても、テレビの時代より情報が多元的になってきました。

テレビからスマホへの過渡期

とはいっても、現在、すべての人がスマホでYouTubeやTwitterを見て、選挙における投票行動を変えているかというとそうではありません。現状でいえば、感覚的には、投票率の高い高齢者よりも、投票率の低い若年者の方がスマホを利用しているので、有権者の2割がスマホ、8割がテレビ、投票する人の1割がスマホ、9割がテレビに影響を受けているようにも感じます。

今後、確実にスマホの影響力が増していくことになるでしょう。

テクノロジーが世の中のライフスタイルを変えてきた

政治だけでなく、スマホが私達のライフスタイルを大きく変えました。

1人1台アップルのiPhoneなどのスマホを持ち、わからないことがあれば、グーグルで検索して、欲しいものがあれば、アマゾンで購入して、家族や友達とラインでメッセージのやりとりをして生活しています。

良い悪いは別としても、GAFAの力をうまく利用せざるをえないわけです。

若者は、新聞→ニュースアプリ、
テレビ→YouTubeへ移行しつつある

もう少し細かく具体的にどのように若者の新聞離れやテレビ離れが進んでいるのか見ていきます。

新聞は、スマホのニュースアプリ、具体的には、ヤフーニュース、ラインニュース、グノシー、スマートニュース、ニュースピックスなどのアプリを使用しています。新聞は1日2回届きますが、ニュースアプリは自分の好きな時間にチェックすることができます。即時性もあり、災害情報などもチェックしやすいです。

テレビは、ニュース、ドラマや映画など様々なコンテンツがありますが、分解して考えてみます。ニュースはニュースアプリ、ドラマや映画はアマゾンプライムビデオ、ネットフリックス、Hulu、それ以外の映像はYouTubeなどに代替されています。

テレビと同じ機能ではないかもしれませんが、可処分時間という観点からは、新聞やテレビは、ライン、フェイスブック、インスタグラムなどに奪われています。

スマホが組織票を減らしている?

スマホを持つようになってから、家にいても外にいても、家族や友人とコミュニケーションすることができるようになりました。親しい家族や友人とは、コミュニケーションしたいけど、仕事の時以外に職場の人と話したくない、特に用事がないのにご近所の人と話したくないという人が増えています。

一例ですが、男性は、仕事の後にあった飲みニケーションなどの付き合いが減りました。そうなると政治や選挙の話をすることも減り、社縁が弱まっており、業界団体の選挙の動員も減っています。女性は、町内会やPTAなどの地域のご近所付き合いが減りました。わざわざ顔を合わせて井戸端会議する機会も減っており、地縁が弱まっています。

それは選挙にも関連することで、会社付き合いやご近所付き合いが少なくなってきたことが、既存の政党を中心に応援する業界団体票などの組織票を減らしています。

スマホが個人の力を強くして、組織の力を弱めているともいえます。

広告費は、ネットがテレビを抜いた?

広告費はネットがテレビを抜いた

ネットの力が強くなってきたことを表す指標としては、広告費がどれくらい使われたかという観点からみると、2019年にはネットの広告費がテレビを抜いた可能性があります。遅くても2020年前半には確実に抜くことになり、4Gから5Gになることで、YouTubeなどの動画がより見られやすくなります。

〈 テレビ広告費を抜いたかもしれないインターネット広告費 〉

若年層では、テレビの視聴時間より
ネットの利用時間が長い

若年層では、平日ではテレビの視聴時間よりネットの利用時間が長くなっています。仕事をしている時間帯は、家でテレビを視聴できないこともあり、外出先でも見れるスマホでのネット利用が増えています。

〈 主なメディアの利用時間と行為者率(総務省) 〉

5Gになり、YouTubeは
より多く見られるようになる

現状、YouTubeは、パソコンで見るか、通信費がかからないようにスマホでWi-Fiにつないでみるのどちらかです。5Gになれば、スマホで常時接続して見ることができます。また、低遅延になるため、画像も止まることなく、画質も良くなります。

〈 Connect future ~5Gでつながる世界~ 〉

既存のテレビ局VS新興のグーグル

国内企業の放送局は、既存のテレビ局が運営しており、世界的企業のYouTubeは、新興のグーグルが運営しています。Googleは、時価総額100兆円ある大企業です。Googleは、世界中から頭のいい人が集まっています。Twitterは、時価総額3兆円ある企業です。

GAFAは、既存のメディアにとって黒船といえるかもしれません。日本だけでなく、世界中の従来のメディアが新しいメディアに置き換わりつつあります。YouTubeが今後も多く視聴され、テレビは視聴されにくなってくるのは間違いないでしょう。

どのような形になるかはまだわかりませんが、GoogleやFacebookなどテクノロジーの進化により、政治の仕組みも変わっていってもおかしくありません。

AIが政治を支配する可能性

今後、世の中の多くの人がYouTubeやTwitterなどの情報を元に選挙の際行動することになれば、どの情報を流して、どの情報を流さないかはYouTubeやTwitterのアルゴリズム、すなわち人工知能であるAIが決めてくことになります。

AIが決めるといっても、AIはエンジニアが設計していますから、AI企業の経営幹部の指示でエンジニアも調整することができます。新聞社やテレビ局の経営幹部が日本の政治を支配していたように、AI企業の経営幹部が世の中を支配する可能性もあるということです。

中国では既にAIで人々を監視している

ちなみに、中国では既にAIを駆使して、人々を監視しています。中国は、14億人のマーケットがあり、自国内で情報産業を育てることができています。バイドゥ、テンセントなどのAIの技術を持つ企業を介して情報をコントロールできます。

逆にロシアは、1億4000人のマーケットしかなく、自国内で情報産業を育てておらず、グーグル、フェイスブックなどのAIの技術を持つ企業を介して情報をコントロールできていません。

中国共産党を批判しているメッセージを発信していると、AIが感知して、削除されたり、マークされて警察から事情聴取を受けたりすることもあるようです。

良い悪いかは別としても、政治とAIは相性が良く、共産党の都合の良いように、アルゴリズムが作られて、都合の良い情報のみが人々に伝えられて、都合の悪い情報は人々に伝えられないようになることでしょう。

2.政治 現在の選挙制度の攻略法
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