クリニック経営の教科書 1. 患者さまが
かかりつけになるまで

クリニックを経営する上で最も大切なことは、「いかに多くの患者さまにとっての『かかりつけ』になるか」です。

かかりつけのクリニックとして信頼され、何度も来院してくださることにより、経営は安定します。ここでの「かかりつけ」の患者さまとは、内科であれば、高血圧などの慢性疾患があり、定期的な通院が必要な患者さまや、定期的な通院が必要ではなくても、風邪の症状が出たときには毎回そのクリニックに来院する患者さまのことです。

患者さまが「かかりつけ」になるには、次の手順を踏みます。
「認知」→「病院探し」→「比較検討」→「初診」→「かかりつけ」

(1) 「認知」…今までに一度も受診したことがないけれど、クリニックがあることを知る段階

(2) 「病院探し」…体の不調があり、病院を探している人が、ネットや保存されたチラシなどで、クリニックを探す段階

(3) 「比較検討」…病院探しで見つけたクリニックの中で、どのクリニックに行くべきか、ホームページの内容、口コミなどを見て比較検討する段階

(4) 「初診」…患者さまがクリニックを訪れて、初めて受診する段階

(5) 「かかりつけ」…初診の患者さまが再診患者さまとなり、さらに「かかりつけ」のクリニックになる段階

それぞれの段階で適切な対策をする

それぞれのの段階で適切な対策をする

かかりつけになるまでの流れを理解し、次のそれぞれの時点に対し、適切な対策をすることで、より多くの患者さまにかかりつけになってもらえます。

ところが、このクリニック経営について、それぞれを「点」ではなく「流れ」として理解されている開業医は多くありません。クリニックの経営者=クリニックの院長、つまり医師ですが、医師は医学の専門家であっても、経営に関して勉強する機会が少ないからです。勤務医と違い、独立開業した医師には診療の腕とはまったく別の、経営能力が問われます。

「認知」から
「かかりつけ」 までのステップ

それではこれから、5つのステップについて、もう少し細かくみていきましょう。

● 「認知」
立地、看板

「まだそのクリニックにかかったことがない人(病院を探していない段階)にクリニックを知ってもらうと」を「認知」されたということになります。つまり認知とは「クリニックの存在」を知ってもらうことです。存在を知っていただいた患者さまがすぐに来院するとは限りませんが、認知されていれば、体調不調で病院にかかろうと思ったときの候補に挙がります。認知してもらう方法として最もイメージしやすいのは、クリニックの据え付け看板や置き看板で、通りすがりの人に名前を覚えてもらうことでしょう。

看板には「据え付け看板」「置き看板」「駅看板」「電柱看板」「野立て看板」などさまざまなタイプがありますが、効果のある看板とない看板があります。認知してもらうために何よりも大切なのは、「立地」です。クリニックは、一度開業したら簡単には転居できません。ですから最初の立地選びが非常に重要なのです。

● 「病院探し」
ネット(ホームページや検索連動型広告など)、保存されたチラシ、タウンページ

上記の「認知」が、クリニックの存在を知っている人を増やす対策であるのに対し、「病院探し」とは、仮に内科であれば風邪を引いたなど症状に合わせて、クリニックを探しているユーザーに見つけてもらうための対策のことです。病院探しの昔ながらの方法は、「家族や友人に、いい病院がないか相談する」「保存しておいたチラシを読み返す」「タウンページで調べる」などのアナログの方法ですが、IT化が進み、病院探しにも、スマホでの「ネット検索」が活用されるケースが増えています。

さらに、すでに通りすがりの看板で認知されているクリニックであっても、診療時間や診療内容を詳細に調べるためにネット検索します。そのため、ユーザーにとって分かりやすいホームページを運営することだけでなく、キーワードを入力した際に、スマホの検索結果画面に上位表示されているかもチェックする必要があります。

● 「比較検討」
ホームページ内容、口コミ(リアル)、口コミ(ネット)

ユーザーは複数のクリニックを見比べて、どこのクリニックで診察を受けるかを最終的に決めます。その中で選ばれるクリニックになるためには、「選ばれる要素」をホームページ上に分かりやすく記載しておかなければなりません。また、リアルだけでなくネット上での口コミを参考にしてかかるクリニックを決めています。

● 「初診」
接遇のマニュアル化

初診で訪れた患者さま再診に繋げ、かかりつけのクリニックに選んでもらうために、最も重要なのが初診です。クリニックを訪れた患者の流れは以下の通りです。

予約(受付)→受付→ 待合室(問診票・パンフレット)→ 受付→ 待合室→ 診察室(医師)→ 処置室(看護師)→ 待合室→ 受付(会計)→ 調剤薬局

患者さまは(予約時)、受付時、問診票を手渡すとき、会計時の3〜4回は受付で事務スタッフと接することになりますから、事務スタッフの接遇は極めて重要なのです。 接遇をマニュアル化し、全てのスタッフが一定以上の水準で対応できるような仕組みを作ることが大切です。

● 「かかりつけ」
診療内容、定期受診の重要性、信頼関係の築き方

上記4つの「認知」から「初診」までのステップでは、ネットやスタッフも力を発揮しますが、患者さまに「かかりつけ」として選ばれるかどうかは、医師の「診察」によるところが大きいです。どれだけ受付スタッフの対応が良かったとしても、「あの医者は、ちっとも私の話を聞いてくれないし、信用できない」と感じたなら、その患者は二度と来院しないでしょう。

2.集患に困らない立地とは?
この記事を共有
  • シェアボタン(facebook)
  • シェアボタン(twitter)

Comment

ご覧いただきましてありがとうございます。
感想や意見などあれば、お気軽にコメントください。

*がついている項目は必須です。

コメント*
名前(ニックネーム可)*

クリニック経営の教科書